6月、スーパーにかわいい梅の実が並び始めました。
本日は、古来より日本人に愛され
時には多くの命をも守ってきた、
『梅』についてお届けいたします。
2024年、梅が記録的に不作です
今年は暖冬の影響で、梅が大不作と言われています。
暖かさで開花が早まり、多くの花が
不完全な状態で咲き、実が激減。
「収穫量は3分の1 今年は全くダメだった」暖冬で梅が不作 取引価格も1.6倍に(RKB毎日放送) – Yahoo!ニュース
また、花粉を運ぶミツバチさんも早い開花ではまだ寒く、
活発な活動ができなかったことも要因の一つに。
ウチのお店で毎年購入している
和歌山県の南高梅の農家さんも
「今年の不作は桁違い」と、ご連絡いただきました。
曰く、
「3月に雹(ひょう)が降り、梅の実に傷が付いてしまった」
成長するにつれ傷は大きく広がります。
傷が多少ついたものも出荷したとして収穫は、例年の5割ほどに。
梅の収穫量が全都道府県の64%を占める和歌山県での不作。
全国で梅の価格が高騰します。
ただ…原因が暖冬ならば、
これからも不作が続く可能性が高いのかもしれません。
傷がある梅でも、梅酒や梅シロップ、梅ジャム、
梅エキスなどをつくる場合は、味には影響ありません。
梅を見つけたら、
いつもより少しの梅を、いつもよりグッと丁寧に
漬けてみるのもいいかもしれません。
梅干しを見るだけで、唾液が出る人・出ない人
梅干しは、私たち日本人にとって
どんな食べものなのでしょうか?
日本最古の漢詩集にも登場し、
万葉集には梅を題材にした和歌が、盛りだくさん。
平安時代には文献に梅干しが登場✨!
時の村上天皇が病気にかかられた際、
梅干しと昆布を入れたお茶を飲んで回復。
疫病にかかった人々も救ったという伝承があります。
984年に記された医学書には、
『梅は三毒を断つ』という記述があるほど。
また、戦国時代には兵士のために、
梅干しや梅エキスが作られていました。
そう、梅干しは、
日本人の底力を上げ、
時には命を救うものとして
古来より日本人に愛されてきたのです。
その未知の栄養価は、
現在では、さまざまな研究により裏付けされています。
次世代に繋ぎ、残したい和食の一つ、梅干し。
そして、梅干しに限らず、
季節のお野菜を乳酸発酵させることで栄養価が上がり、
日持ちし、日本の食を支えてきた、お漬け物。
そんなお漬け物が
現在、危機に瀕しています。
それは、戦後の近代化の中でおきました。
本来の乳酸発酵と異なり、
調味液で味付けし、
保存料で日持ちさせるようになったからです。
現在、スーパーでよく見かける
『調味梅干し』は、
水に浸けて脱塩してから調味液に漬ける為
甘くて食べやすいものが多いです。
かつお節やはちみつ、
さまざまな味付けがしてあります。
これらを梅干しだと思って育った子どもは、
梅干しを見て、はたして
唾液が湧いて来るのでしょうか?
この、
『見ただけでよだれが出る』
というのは、
酸っぱい梅干しの味を知る人だけができる、
スペシャルな健康技です。
戦地で食べものが無く、口の中がカラカラになった時、
梅干しの味を思い出せる人は
生き延びることが出来たというお話もあります。
唾液の効能は、はかり知れません。
食品衛生法とお漬け物
今月1日から、食品衛生法が改正され、
施行されたのはご存知でしょうか?
この改正法でターゲットになっているのが、
お漬け物です。
今まで、届け出制だったものが許可制に…
要は、
今まで手作りや無添加で
職人さんが作っていたようなお漬け物は、
販売が難しくなりました。
大量生産はできないけれど、こだわって
作って下さっていた
そんなお漬け物たちです。
この法案は、大量加工している会社のお漬け物、
例えば工場が海外にあるような
機械でオートメーション化している、
そんな商品を後押しするような法案です。
ただし、手に入りづらくなったからこそ
本物のお漬け物に出会った時のうれしさは、格別ですよね♪
今年、記録的な不作の中、
頑張って出荷して下さっている農家さん。
本来の製法で梅干し作りをし
なんとか出荷しようとして下さっている方々。
そんな生産者さんから購入することが、
私たちにできる
『次世代に美味しいお漬け物をつなぐ』
近道なのだと思います。
そして!!なんといっても手作り✨♡
いつも梅干しを漬けている方も
初挑戦しようと思う方も
ウチのお店の梅干しレシピを載せておくので
良ければご参考にお使いくださいませ♪
梅干しレシピ ~赤じそ漬け~
《食材》
・完熟梅 2㌔
完熟したものが手に入らない場合は、
お盆に広げてしばらく放置で追熟を。
・天然塩 300~400g
・赤じそ 200g
・塩(しそ揉み用)大さじ3
・焼酎 50㎖
《器具》
・清潔なガラス瓶や甕(保存容器)
※焼酎で内側を拭き、殺菌しておく
・竹串(つまようじ)
・ざる
・麻などのふきん
《作り方》
梅は洗い水に浸け、ヘタを竹串で取り、
ふきんで水気をしっかり拭きます。
① ボウルに梅と焼酎を入れまんべんなくまぶします。
② ガラス瓶に塩をすこし敷きます。
ここに梅と塩を交互に入れて行きます。
③ 2週間ほどおいておくと梅酢が上がってきます
→赤しその葉は、そこから漬けます。
④ 赤じその葉の下準備をします。
赤じその葉は洗い、塩で良くもみます。
絞るとあくがでます。
2~3回塩もみして絞りましょう。
だんだん、あくがでなくなります。
⑤ 取り出した梅酢で赤じそを良くもみます。
梅酢に赤じその色が移ります。
この梅酢と梅を再度ビンに戻し
梅雨明けまで漬けておきます。
⑥ 梅雨明けに梅干しを盆ざるに並べ、
3日3晩土用干しし、容器で保存します。
(干す日数は目安です)
この土用干しが梅干しをグッと美味しくします。
保存する時は、甕でもビンでも大丈夫。
清潔なものを使いましょう。
梅を先に並べ、最後に
赤しそでふたをするように被せます。
※梅酢は別のビンに保存し、色々なお料理にご活用ください。
自家製梅干し&梅酢。
どうぞ楽しまれて下さい\(^ー^)/
コメント