今回は
神話の中でも有名な
『因幡のしろうさぎ』についてのお話。
あるところに、
八十神（やそがみ）という神様の兄弟がいました。
その兄弟たちは、
因幡国にいる八上姫（やがみひめ）に求婚しに行く途中で、
毛をむしられて丸裸になっている兎と出会いました。
八十神たちは面白がって
「海水を浴びて、山の頂上で風と日光を浴びていれば治るよ」
といい、その言葉を信じた兎は、
言われた通りにやってみますが、
痛みはひどくなる一方。
そこへ、兄弟神様たちの荷物を全部持たされた
大国主（おおくにぬし）という神様が
遅れてやってきました。
泣いている兎を見て、理由を聞きます。
兎は語りました。
“ 私は、隠岐島というところにいました。
どうにかして、因幡国まで行ってみたいと考えましたが、
私は自分の力で海を渡ることができません。
そこで、考え、ワニザメに声をかけたのです。
「あなたたちと私たちの種族は、
どちらの方が数が多いか数えてみませんか？
できるだけ沢山、仲間を連れて並んでください。」
そして、兎はずらっと並んだワニザメの背中を渡って、
因幡国に行くことに成功したのです。
けれども、いざ降りようとした時に
「お前たちは騙されたのさ！」
と言ってしまったのです。
すると、ワニザメたちが怒り、
毛を剥ぎ取られ、丸裸にされてしまいました。
その後、泣いてるところへ八十神たちがやってきて、
言われた通りにしたところ、
余計にひどくなってしまったのです。”
大国主は、兎を可哀想に思い、
「真水で体を洗い、ガマの穂をつけておきなさい。」
と伝えました。
その通りにすると、
うさぎの体の傷はたちまち癒え、
毛も元通りになりました。
それに、感謝したうさぎは
「あなたこそが八上姫の婿になるお方です。
あの八十神たちは、貰い受けることはできません。」
と伝えます。
その後、八上姫のもとに、
八十神たちがいき求婚しますが、
誰も相手にされません。
遅れてやってきた大国主姿を見ると、
「荷物を背負っているあなたの妻にしてください。」
と、兎が言った通りに
結ばれることになりました。
この因幡の白兎は、
神話の中でも一番有名ではないでしょうか？
兎に騙されたワニザメですが、
ワニ
とされたり
サメ
と言われたりもしています。
ほんとのところは、どうなんだろう？
と考えるのもまた楽しいですよね！
